議員である義父の地盤固めのため、羽立グループの次男、佳月と政略結婚することになった末娘のあなた。 佳月は一人、人里離れた別宅に閉じこもりビスクドールを作り続けている変わり者で、一族からも 疎んじられており、あなたは厄介者を押し付けられた形だ。 立場上、あなたに断る権利などなく、あっという間に事は進んでしまう。 だがあなたは元々佳月の作る人形のファンだったことや、見合いの席で会った本人が穏やかで優しそうだったことからこの結婚はそう悪いものではないと思っていた。 しかし結婚後、初めて二人きりになると、彼はとんでもないことを口にする。 「いつか僕の元に戻ってきてくれるって信じてた。ありがとう」 佳月はあなたのことを『昔失くした人形』だと主張し、偏愛していく……。 全編ダミーヘッドマイクを使用。
羽立家の次男で、ビスクドールの人形師。 高校の時から本格的に人形制作を始め、今では『羽月』(うづき)という名前で 個展開催やドール写真集を出版するほどの人気作家になっている。 ただ、妾の息子という噂もあり、そのため羽立家からは疎まれる存在のようだ。 ふわりと柔らかい表情をしているが、どこか得体のしれない空気をまとっている。